お隣の魔法使い
まったり系のファンタジー。舞台を現代西欧に置いた、いわゆるエヴリディ・マジックというやつで、現代日本で学生が伝奇アクションをするのが主流になっている今のライトノベルにおけるファンタジー中では珍しい部類。
ネットで著者が公開していた短編を焼きなおしてまとめたという経緯のせいかシリーズを通してのサスペンスに欠けるのと、ギャグやコメディーの要素を極小にしているせいで、読後にあまり残らない感じになってしまっています。メアリーとツクツクトゥックトゥイックのメイン2人は踏み込まないですしゲストキャラ達には書き割り以上の存在感は無いのでキャラクターの魅力も欠けますし。うんちくに近い小ネタの分野ではがんばっているせいか読んでいる最中に退屈を感じる事は無いのですが。
より手軽に読める萌え四コマというこちら系の話が主流でキャラクター要素の追求が更に先鋭化しているジャンルが盛況な現在、1冊ものライトノベルでこの程度の踏み込みの話を続けるのは辛いかも。
3巻の予定は立っているらしいので、次はキャラの深みに踏み込んでいって欲しいですが……設定開示はしてもキャラの内面はやはりスルーされちゃうかも。
2巻 帯
不必要に見える物ほど
人生には必要なんです「必要な物」「実用的な物」「得をする物」……そんなものだけじゃ
世の中つまらない。本当の安らぎは、プラスαの中にあるはず……
ちょっと不思議なお隣の「ツクツクさん」と、ごく普通の女の子
「メアリー」が繰り広げるハートフルな不思議物語。