ルーシア「さあ、始まるざますよ」
クリム「行くでガンス」
フラン「ふが」
ミルク「まともに始めなさいよ」
なんてのは無いけれど。小説版『ねこきっさ』。原作になじみは無いけれども時野つばきさん執筆とあっては読まねばなるまい。
プロローグ いらっしゃいませ
猫人にワーウルフにヴァンパイアに鬼族に竜族に非常食ナマケ猫と店員のバリエーション豊かな喫茶店のよう。しかしなんで店名が「ねこきっさ」? 主人公のクゥ(猫娘)や同期のミルク(100年経つまではただの猫)が入る前から「ねこきっさ」だったみたいだけど……まさか、前に居た猫店員はみんなクリム(ワーウルフ)に食われたりルーシア(ヴァンパイア)に吸われたりしてしまい、その補充用として雇われたとか……まさか、ね。(^_^;
第一話 懐かしの給食フェア開催っス!
付録:『正しいソフトめんの食べ方』
私の時はアルマイトのおわんなんてご大層な代物ではなくて、凹みが大×2、小×2の4つあるプラスチックの(汁物も充分入る)深めの一体成型ランチプレート一枚に全て盛り付けられたものを先割れスプーンで犬食い。こっちの方がアルマイトより世代的には新しいはずだけど、明らかに退化。学校給食が一番無様になった世代だったですね。子供の頃はそれに疑問は持たなかったけれども、今から考えると……。まあ最近は(作中にも書かれているように)強化磁器の(一体成型ではない別個の)食器になっているようで、良い事です。
ところで
「はい、これよ。クジラのスウェーデン煮風!」
差し出された皿の上に乗っていたのは、真っ赤なソースで煮つけた赤身の肉が一切れ。
「あ……トマトケチャップ?」
「トマトケチャップだわね」
「どの辺がスウェーデン?」
「気にしない、気にしない! 多分、ノルウェーとかスウェーデンの人もだいたいこんな感じの味つけで食べてるはずよ」
(p33)
って、信じていいんですね? →北欧帰りの筆者様
第二話 ランジェリーショップは乙女の園っス!
付録:『正しいブラジャーの付け方』
ここに限らず各話口絵のみで本文中の挿絵が一切無いのが残念。スペイン風パフェとイタリア風パフェの絵は見たかった。(挿絵があったとしてもここは描くのを避けそうだけど)
描写が細かいのはさすが女流。もはや対象読者が不明だけど。(^_^;
第三話 魔界ひな祭りはドキドキっス!
Wizardry、グインサーガのキャラでパーティー作ってやったなぁ。グインが戦士、イシュトが盗賊、リンダが僧侶でナリスが司教、ヴァレリウスが魔術師てな感じで。僧侶の身ながら前線で撲殺しまくるリンダがオテンバっぽくてそれらしい、とかあとがきにある通りの状況でした。3×3の部屋ってどう回れば全部の床を踏めるか毎回悩むんだよね。雛祭りかぁ。あーっ! 『巫女さん戦隊マガタマン』の事すっかり忘れてた!
(『“巫女さん”細腕繁盛記』の箱の底から(中略)の例の場所を見る)
ああ、まだ、無い……。(^_^;
…。
……。
………。
……気を取り直して。
主人公が方向音痴(?)なマッパーというのはフォーチュン・クエストからなのかな。で、この話、クゥがマッパーから忍者にレベルアップする話、という事でいいんでしょうか?(きっと違う)
第四話 冥土カフェでメイド修行っス!
冥土 で メイド ですか。腐ってやがる時野さんのテイストが出ていて
すばらしいです!
それはともかく。芳文社KR文庫第一弾『ひだまりスケッチノベル ようこそひだまり荘へ』でもこちらと同じく第四話ではオリキャラの少年が重要なゲストキャラとして出てたですが、ひょっとしてこのレーベルにはそういう縛りでもあるのでしょうか? 『ひだまりスケッチ』アニメ版では最終回に小説版とは対称的にオリキャラとして少女(主要登場人物の妹)出していましたけれども、あるいは男性向けなアニメに対して、文庫は女性向け狙っているという差が出ているのかな。
エピローグ またのおこしをお待ちしてまス♪
メイドのフランさんがフランケンシュタインの怪物状態なのはそんな理由が……かなり無理やりですな。(^_^;
総括
楽しかった。楽しかったんだけどこれ、なんか読者の年代選びません?(^_^;
いや原作からしてそういうノリなのかもしれないですけれど……原作も読もうかな。
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