キミキス pure rouge① ~恋のプロローグ~
これはエンターブレインから発売のギャルゲー『キミキス』、が原作のTVアニメ『キミキス pure rouge』、を原作とした小説です。って、ああややこしい。
『渚のロブスター少女』『終わる世界、終わらない夏休み』のどちらも楽しめたあきさかあさひ氏の新作として期待して読んだのですが、充分に満足。1巻目という事で話は序盤なものの、多数の登場人物の交錯する想いがよく表わされていていい感じ。
キスから始まる
この『キミキス』なんですが。メディアミックス展開がものすごい事になっていて。ちょっと整理してみます。
まず原作。同じくエンターブレイン(アスキー)から発売された『トゥルー・ラブストーリー』流れの新作として、2006年5月25日に『キミキス』の題で発売。
これにはPS2版の他にケータイアプリ版もあります。
発売元エンターブレインの発行する18禁エロゲー誌『TECH GIAN』付録にて『キミキスちょっとおまけ劇場』なる番外編ADVもあり。元ゲームはもちろん非18禁なのにエロゲー誌の付録としてオリジナル番外編が付いたのには、当時ちょっとビックリしてしまいました。
で、それのコミカライズなのですが。
まず本家エンターブレインから『ファミ通PS2』(現:『ファミ通PLAYSTATION+』)2006年6月30日号より連載。
(作画: こくら雅史 )
スクウェア・エニックス『ガンガンパワード』(隔月刊)2006年No.1(6月発売号)から2007年Vol.5(2月発売号)まで『キミキス ~lyrical contact~』として連載。
(作画: 黒井みめい )
同2007年No.9(10月発売号)より『キミキス ~after days~』連載。
(構成: 香月アイネ, 作画: 佳月玲茅
白泉社『ヤングアニマル』2006年8月25日号より『キミキス -various heroines-』として連載。
(作画: 東雲太郎)
秋田書店『チャンピオンRED いちご』Vol.1(2006年12月26日)より『キミキス ~スウィートリップス~』として連載。
(作画: 糸杉柾宏)
コミックアンソロジーが『マジキュー4コマ キミキス pure rouge』(2007年10月25日)としてとりあえず1巻。
そしてこの小説版『キミキス pure rouge』シリーズと。
ゲームが原作のものは大抵キャラ別ルート毎に別作品となっているわけですが、アニメ版が原作のこの小説は当然ながら1ルート。といってもアニメは単純に原作ゲームでの複数ルートを統合したというわけではなくて、原作での主人公を分割するという(考えようによっては)原作破壊をしているのでした。当然ながらアニメ版が原作のこの小説もそれを踏襲しています。
キス以上、恋人未満
アニメ版(を元にしたこの小説版)はゲーム版での主人公の(標準での)名前「相原光一」をぶった切って、
という2人の主人公に分割。そしてヒロインの1人という扱いから第3の主人公に格上げされた水澤摩央のお相手として、同じく高校3年生で人付き合いの悪いアルトサックス吹きな甲斐栄二を加えています。
光一の相手として、
- 本命: 星乃結美
- 光一の去年からの同級生。読書好きの図書委員。彼女も去年から光一の事を気にしていたようだが引っ込み思案な性格から言い出せないでいた。
- 対抗: 水澤摩央
- 両親をフランスに残し1人帰国し、光一と同居する事になった元近所のお姉さん。光一が結美に気があるのを察して彼の後押しをするものの……ええとこのパターンって、Nice boat.?
- 大穴: 栗生恵
- 同じクラスの風紀委員。光一が摩央を連れて登校した時に遅刻間際なのを注意。とりあえずそれだけの関係。今作での登場シーンもそれだけ。(笑)
そして一輝の相手としては、
- 本命: 二見瑛理子
- IQ190の変人才女。孤独を好み、他人に敬遠されている。実験と称して一輝とキス・キス・キス。
- 対抗: 咲野明日夏
- 女子サッカー部が存在しないため一輝と同じ男子サッカー部に特別に在籍。女子ながら一輝以外の男子サッカー部員を寄せ付けない実力の持ち主。彼に必殺技アスカターン完成のための練習相手をさせている。
- 大穴: 相原菜々
- 一輝の1つ下の妹。兄が好き。親友の里仲なるみ(実家がうどん屋)と共に家庭部内でうどん同好会を。
そして摩央のお相手として登場した3年生の甲斐栄二の場合、
- 本命: 祇条深月
- ピアノが得意なお嬢様。栄二のサックスを聴きそれに興味を。栄二もまた彼女の音に惹かれ……。
- 対抗: 水澤摩央
- 転校して来て隣りの席となった栄二の無愛想っぷりに反感を持ちちょっかいを出している内に彼の心に深く分け入る事に。深月との身分違いを実感した栄二と、光一に心を残したままの彼女は妥協を秘めて付き合いだして……。
- 大穴: 川田知子
- 栄二と摩央のクラス担任で、光一や一輝が所属し彼らの友人柊明良が部長を務める映画研究会の顧問。国語教師。とりあえずそれだけの関係。
大穴のヒロイン達はさて置くとしても本命・対抗ヒロインの内で半数は脱落する運命な三角関係バトルフィールド。いったいどんな展開を見せるのでしょうか。
ピュア・ポートレート
一輝 | 光一 | 栄二 | |
---|---|---|---|
一輝 | 光一 | 栄二 | |
- | - | - | 川田知子 |
- | - | - | 祇条深月 |
- | 膝 | 頬 | 水澤摩央 |
- | 額 | - | 星乃結美 |
- | - | - | 栗生恵 |
唇×3 | - | - | 二見瑛理子 |
缶 | - | - | 咲野明日夏 |
唇 | - | - | 相原菜々 |
- | - | - | 里仲なるみ |
明日夏とのスポーツドリンク缶での間接キスというのはノーカンかも。とはいえそれを外しても瑛理子と唇で3度のキス(最後は舌まで)に加え妹にも唇を奪われた一輝が現在トップなのは確実。キスにまで至らない相手にも、彼に七味を取ってもらっただけで真っ赤になった なるみ が居ますし。モテモテです。
しかし光一に膝小僧へのキスを許し、栄二に(唇を避けて)頬にキスさせた摩央の二股っぷりも見逃せないところ。
揺れる天秤
明良率いる映画研究会の映画撮影に元からの部員である光一、一輝は無論の事、2人の姉貴分の摩央、光一の脚本を手伝った結美、一輝の妹の菜々、そしてその親友なるみ も巻き込んで、なるみの実家のうどん屋『里なか』を拠点に撮影会議。その題材は恋愛、当然キスシーンも。キスはまだの女子達ばかり集まってしまい、結局はキスOKのヒロイン役探しに。そんな『クランクアップが待てなくて』な展開で、恋とキスの行方はどこへ行くのか。
先が楽しみです。
あとがき
なんかサンボマスター6時間ライブで「Very special」。あいかわらず物事に対して真面目な感じの人柄が伺われるあとがきですね。
んで、本文イラストを描いた まりも氏の「あとがきのようなもの」
フルコンプしたキミキスのイラストを
描くことになったので
記念デコちゅー
って、まりも×奈々で1キスをカウントするべきでしょうか?(笑)
- 著者: あきさかあさひ
- カバーイラスト: 川田剛+J.C.STAFF キミキス
- 口絵イラスト: J.C.STAFF
- 本文イラスト: まりも
- 原作: ENTERBRAIN,INC./「キミキス」製作委員会
- 監修: 杉山イチロウ
- 編集人: 青柳昌行
- 担当: 川崎拓也/衣笠辰実
- デザイン: 渡辺公也
- 出版: ファミ通文庫(K4 2-1 727) キミキス登場!, ちょっと立ち読み
- Wikipedia, Uncyclopedia, [Lightnovel Wiki], ErogameScape, キミキス -pure rouge- wiki
帯
アニメ
『キミキス pure rouge』
絶賛放送中!!!
「キ、キス? したこと、ないよ……」
――キスから始まる恋の青春群像!!
おまけ: うそ相関図
光一と摩央の「盗聴仲間」についてはまあ結美への恋愛を後押しする関係と読み替えればいいし、栄二と深月の「見せ合いっこ仲間」というのも音楽の聞かせ合いと読み替えればその通り。しか深月と摩央の栄二を挟んでの恋のライバルが実は元恋人というのは……深いです。
一輝と明日夏の「ライバル」というのもスポーツの面では間違ってはいないですか。なるみとの「親友」も妹の奈々と彼女が親友なわけですから当たらずとは言えど遠からず。しかし瑛里子との「上司・部下」関係は逆のような。しかし一番衝撃的なのは、なるみと明日夏の「腐女子仲間」。2人とも実はそういう趣味だったのか……。
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