富士見ミステリー文庫の終末と角川系ライトノベル再編成
『幽霊列車とこんぺい糖』富士ミスでの出版が2年ぶりというブランクがありながら、既に告知している新ペンネーム瑞智士記ではなく旧名の木ノ歌詠の名で出版されたので「今変えないでいつ変えるんだ?」と不思議に思ったのですが。つまり「もうすぐレーベルが無くなるから富士見ミステリー文庫で出ている内は旧名でいこう」という判断だったわけですね。納得。
ペーパーバックの単行本 Style-F の方も出版ペースが怪しくなってきましたし。(そして Style-F を外してひっそりと美少女ゲーム『ef - a fairy tale of the two.』(minori)のノベライズ出してたりするし)
何らかの再編が入るのは必須でしょうか。
ガンパレだけが残って『ななついろ★ドロップス Pure!!』からのゲームノベライズは電撃文庫に繰り入れてしまった電撃ゲーム文庫等と同じく現行シリーズが完結するまで続いて以上、ですかね。
で、その先日15周年祭を開催したメディアワークスのライトノベル誌『電撃hp』も『電撃文庫 MAGAZINE』にリニューアル。文庫では富士見書房に勝ちながらも雑誌では王者『ドラゴンマガジン』の足元にも及ばなかったわけですからリニューアルは遅すぎたくらいくらいですが。その内容はと見れば、付録に
●カードゲーム「プロジェクト レヴォリューション」スペシャルカード『キノの旅』『狼と香辛料』!
と『電撃アドベンチャーズ』よりのリニューアルからこのかた今まで排除していたアナログゲーム要素を取り入れだした模様。新人賞の『電撃ゲーム小説大賞』を『電撃小説大賞』に改める事で完成した「ゲーム小説ではなく文芸へ」路線の見直しという事でしょうか。
富士見書房の方も、国産RPGの中では巨大な存在感を示していた『ソード・ワールドRPG』の新版『ソード・ワールド 2.0』の発売が迫っていますし。『ナイトウィザード』のような大判でログインブランドでの発売でなくファミ通文庫で発売のRPGルール『アルシャードガイア』を出してきたエンターブレインとも合わせて、角川系ライトノベル文庫全体での「文芸からゲーム文庫へ」の揺り戻しが起きている感じがします。
少女向けの分野では現役十代のケータイ小説への移行は止めようが無い勢いですから文庫の少女レーベルの衰退は必須でしょうけれども。少女より保守的な少年向け文庫の分野では、まだ紙の本での1ブームくらいはありそうですね。
- P.S.
- 実の所、レーベル構成がどうなろうと(会社が潰れない限りは)ライトノベル出版から撤退はしそうもない富士見書房よりも、『ひだまりスケッチノベル』の2巻目を最後に途切れてしまった芳文社KR文庫の方が気になります。連作短編集の公募新人賞という特異なポジションでもありますし、応募作からの出版が1つも無いままフェードアウトでは残念すぎ。
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