ライトノベル誌とは何か
- 続・ライトノベル雑誌は何が目的で作られているのか考えてみる
(ラノ漫―ライトノベルのマンガを本気で作る編集者の雑記―) - [ラノベ]ただのライトノベル誌には興味ありません。(この中に「ザ・スニーカー」初出の本があったら列挙しなさい、以上)
(後天性無気力症候群)
本題とは関係ない話だけれども、この手の話題で『Cobalt』が排除されてしまうのは何故なんだろう? 印刷証明付で 50,000部だから 53,500部の『ドラゴンマガジン』と並んでライトノベル誌トップクラス。なので、まずはこのツー・トップを比べる事から始めないと話にならないと思うけど。
それはともかく。漫画雑誌だと「3作目当ての作品があると買われる」という話を聞いた事があるのですが、ライトノベル誌でもそこらへんはそんなに変わらないのじゃないかな。つまり、目当ての作品の連載で釣って、その他の作品へ興味を繋げる。特にライトノベルのターゲット層である10代は小遣いに回せるお金が少ないから、買った雑誌は丁寧に読む(少なくとも自分はそうだった)ので、他の作品に流れる可能性も高いですし。
あとマルチメディア展開している二次作品の情報を提供できるというのも大きいですね。TVアニメ版の『涼宮ハルヒ~』シリーズなんて放映前は同じ角川書店の『ニュータイプ』にすら無視されていたし。自前でやらないとどうにもならない、というのもあるのでしょう。
それと関連して。ライトノベル誌というのは基本的には文芸誌の仲間ではなくてアニメ・ゲーム誌の仲間なので、そこらへんの文化全般の紹介を期待されている、というのもあると思います。アニメ誌もゲーム誌も漫画誌もそしてライトノベル誌もと、何冊でも買い漁れるのは自分の稼ぎのある大人だけなわけで……。
あと、これは漫画誌等との違いになりますが、雑誌掲載→文庫化、というのがむしろ例外で、直接文庫として書き下ろされる比率が高い、という点が。 雑誌に書かれても本編そのものより宣伝を兼ねた外伝短編だったりする場合が多いです。ここらへんは漫画誌よりもアニメ・(コンピュータ)ゲーム誌に近い 感じですね。
で、各雑誌の性格ですが。『Cobalt』は読者の(創作の)投稿というのを重視している、という点で少女文化での創作文芸誌の性格が強い感じ。『ドラゴンマガジン』は(アナログ)ゲーム誌寄りとしての性格が。『Novel JAPAN』改め『キャラの!』はライトノベル誌最大のその『ドラゴンマガジン』のコピーに近い感じですし、『電撃hp』は電撃文庫のアンソロジー・スペシャルな感じ。『ザ・スニーカー』は普通の文芸誌と同様の「小説の供給」が主眼だけど(普通の文芸誌と同様)批評っぽいのが載る場合もある(今だと堺三保『海の向こうにアキバあり?』とか)感じ。主観で分けるとこんな気分。
でもいずれも担当文庫の(アニメ等)二次作品の特集などは組みますし、文庫レーベルのフォロー誌という点では大差ない存在。
あえて分類すると、小説に限らない(ゲーム等)アミューズメント寄りの『ドラゴンマガジン』『Novel JAPAN』『キャラの!』、文芸誌寄りの『Cobalt』『ザ・スニーカー』『電撃hp』に分かれるかな。(ちなみに『ドラゴンマガジン』でも別冊の(今は亡き)『ファンタジアバトルロイヤル』は後者な感じ。あと『小説ウィングス』とかも。逆に『電撃hp』の前身にあたる『電撃アドベンチャーズ』は前者。)
『Novel JAPAN』に連載された『五代ゆう&榊一郎の小説指南』と(giolum さんも例に挙げている)『ザ・スニーカー』連載の『キャラクター小説の作り方』の2冊の方向性が異なる小説入門本が、それぞれの系統の性格を良く表わしている感じです。
あ、他に忘れられがちなライトノベル誌といえば『二次元ドリームマガジン』……ってそれはまあいいか。(笑)
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