渚フォルテッシモ2
魔物、(´・ω・) カワイソス……。
今回の『撲殺人魚ナギサちゃん』ですが、化けました。もう、1巻での伝奇アクションなんて欠片しか残ってません。ラブコメです。ツンデレでラブコメなヒロインが空回りして暴走。普通に続編のくせに1巻とこの2巻では『スレイヤーズ』での「本編」と「すぺしゃる」くらいの差がある気が。
しかし路線は微妙に変わっても樹を叩き折るのとラーメン(今回はピリ辛つけ麺)だけは忘れない、そんな『渚フォルテッシモ』2巻目。
正直、1巻を読んだ時にはありがちテンプレ伝奇アクションらぶこめで特に見るべきものもない、と侮っていたのですが、今回ぐっとラブコメ寄りに特化してきていい感じ。そのラブコメもヒロイン麻生渚(あそう なぎさ)の空回りがメイン。どこの少女漫画かという騒ぎで渚が妄想して突っ走ります。
一応主人公は男子である山ノ上大地(やまのうえ だいち)のはずですが、今回彼は少女漫画にありがちの鈍めなお相手役にしかなっていません。そもそも彼の行動の根拠になっている、とある重要な事柄もオチが来るまで読者に開示されませんし。猫っかむりの裏表あまさず描写されている渚の方が読者側。
彼女が鈍い彼氏(というより彼氏以前だけど)を前に勝手に気をもんで勝手に暴走し勝手に八つ当たりして勝手に嫉妬して勝手にくじけて、そして勝手に歌えなく……ラブコメに走りつつも「人魚」である設定にちゃんと繋げてくるのは偉いです。
今回から、
「痛みが引いたよ……びっくりした。すごいな、人魚の歌声って!」
「まあね。私も勉強中で、これは最近できるようになったの!」(p38)
と、撲殺ばかりでなく ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪ もできるようにもなりましたから、これで踏んで縛って叩いて蹴ってじらして吊るしてもOK……って、
大地、(´・ω・) カワイソス……。
それはともかく、
この作品については「猫かむりお嬢様暴走ラブコメ」の一言で済むのではありますが……。
なんか最近読んだ女流の手になる男子向けレーベルでのヒロイン(主人公)が、『暴風ガールズファイト BOUFŪ GIRL'S FIGHT』『みすてぃっく・あい i, mystic garden』そしてこれと、ことごとくこれと同様「猫かぶり」なのはいったい何なのだろうか? そういや同じMF文庫Jの『ぷいぷい!』あたりも同様だし。似たようなヒロイン視点物でも男性作家による『たま◇なま ~あなたは、死にますか?~』『 幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』のヒロインにはそういう意味での二重性はないのですが……。「猫かぶりは乙女のたしなみ」なのかもしれず。
まあ、たまたま集中したせいでそんな気がするだけかな? 女流でも『我が家のお稲荷さま。』あたりだとそんな感じはないですし。(でもメインのクーはヒロインとは言い難い男女転換キャラだし、サブヒロインの佐倉は渚とメタ張れるくらいの空回りキャラだけど)
- 著者: 城崎火也 キザキ回廊
キザキの雑記 - イラスト: 桐野霞
MF文庫J 「渚フォルテッシモ」 挿絵担当 - 装丁: blue
- 出版: MF文庫J(き-02-01, 02)
- Wikipedia, のべるのぶろぐ 2.0(1, 2)
帯
みんなみんなみんな
みんなみんなみんなみ~んな
あんたのせい
なんだから!!!!
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渚フォルテッシモ 2 (2) (MF文庫 J き 2-2) 作者: 城崎火也 出版社/メーカー: メディアファクトリー 発売日: 2007/10 メディア: 文庫 「いやあ、これはいいツンデレですねえ」 と思った第2巻です。 現代異能バトルでありながら、かつツンデレなヒロインの話なのですが、... [続きを読む]