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2007年10月 9日

暴風ガールズファイト BOUFŪ GIRL'S FIGHT

根性、根性、ど根性。泣いて笑って喧嘩して。

 あと、近畿にお住まいのHさんから、鋭いツッコミが……
 「『マリみて』」は『マリア様がみてる』でして、『マリア様がみている』」と【て】が入ると、AVのタイトルになってしまいます」
  えっ、ちょっ……っ! 
 ……ごめんなさい、ピュアに書き間違えました……なんかもう今野緒雪先生におかれましては本当にいろいろとご迷惑とかご無礼とかいたしまくりまして、本当に申し訳ございませんでした……っ(土下座)。
 あと、「同案多数でしょうが」とのことでしたが、実は誰も指摘しなかったです。校正も担当もオール・スルー。Hさんに教えていただかなかったらずっと間違えたままでした、ひー。ありがとうございましたっ(敬礼)

そんなリアルどじっ娘なリアルミッション系出身者の著になる女学園ものですよ。

……ミッション系というより、サブミッション系?

一. 嵐を呼ぶ女 The girl who causes storm

 『フィールドの格闘技』『地上最速のスポーツ』ラクロス。そんな一般には「プリキュア黒いののやってるやつ」くらいの認識しかないであろうマイナースポーツを題材のスポコン。

 著者の作品は他に『バトル・オブ・CA』を読んだだけなのですが、あれも「スペオペだけど戦艦とかじゃなく客船のキャビンアテンダント」という微妙に外した設定でした。地味な商船運用スペオペ・テーブルトークRPG Traveller なんぞにはまっていた事もある身としては楽しめたのですが、他人に勧めるには微妙な位置づけ。取材や考証にはとても力を入れていた作品なのですが、SF というのはそれを超えて行く必要があるジャンルなので、綿密な取材がむしろ作品を縛ってしまっていた印象。

 しかし今回のこれはラクロスという実在のスポーツで、著者の出身でもあるミッション系学園が舞台。十全に著者の特性を生かせる題材。

二. オリジン・エイト Origin eight

AT五十嵐千果(1年A組)
嵐を呼ぶ、ちみっ子。ラクロスの本場アメリカからの帰国子女。主人公を差し置いて表紙の彼女、そのラクロス部設立(というか復活)の情熱(というか暴走)が全ての始まり。ニコタマフタコ団子のまるとも屋を商う祖母と2人暮らし。団子をおかずにご飯を食う。
MF麻生広海(1年A組)
主人公。万年級長。マリア様がみてるお嬢様学校聖ヴェリスタ女学園に初等部で編入してからこのかた猫をかぶって生きてきた彼女なのですが、外の高校に行った親友の森戸結衣との別れから密かに暗く落ち込み中。そんな心の殻を千果の情熱に破られ現れ出でた正体は……とんでもない腹黒だった!! こんなにも、あまりにも悪いやつが生まれてしまった(違)
DF大西くらら(2年B組)
ラクロス同好会部長。ひだまりスケッチでいえばヒロさん。部員の顔面骨折事故により崩壊したかつてのラクロス部から残った2人の内の1人。ラクロスへの情熱は本物。でもラクロスへの恐怖も、本物。
DF黒田苑子(2年B組)
戦隊物で言えば青。ひだまりスケッチでいえば沙英さん。ラクロス同好会を守ってきた残り1人。でも彼女が守りたいのはラクロスではなくて……。
AT嶋あかね(1年C組)
ポニーテールで関西人でオタク千果と同様、高等部から聖ヴェリスタ女学園に編入した。オタなのでミッション系女学院に誤ったイメージを持っていたが、そのイメージを正されてもめげず、千果を手下にして Dual aurora wave !デュアル・オーロラ・ウェーブ!』。しかしそんなハイテンションな色物キャラの彼女が話の進展に従い、テンションも出番も落ちてないのに単なる「普通人代表」ポジションになるとは、登場した時には夢にも思いませんでしたよ。……彼女がどうこうというより他のキャラが濃すぎるだけなんですけどね。
MF宮前雪乃(1年D組)
「白雪様」と称えられるセレブリティ。全国大会優勝の常連であるコーラス部のエースの座を捨て去りラクロス部に。しかしそのお嬢様の仮面の下には主人公に負けず劣らずの腹黒の顔が! まあ主人公とは違い、単なる負けず嫌いですけどね。度が外れてるけど。
G 長谷川悠里(1年B組)
寡黙なアスリート。サッカーのジュニアユースチームでキーパーをやっていたが、千果の本気とその影に隠した苦労を見抜き、絆されて参入。経験者の千果と先輩2人以外では唯一戦力になる選手。というかゴーリーなので要。
DF小坂依奈(中等部 3年C組)
一番年下で唯一の中等部なのに なんだ、このけしからんグラビアに載ってそうなセクシー過多な女(p106) だったりする歩く校則違反な軟派娘。しかしその一見、不真面目な態度は……これも一種のツンデレか。

三. 始まる、始める Starts, start

 お話としては、千果がラクロス部を立て直して練習試合をするまでの展開、なのですが。ドラマの主題になるのは先輩2人の苦悩と、そして主人公広海とその親友結衣との心の建て直し。互いに重ね合わせられた想いが丁寧に描かれています。

 話の前景となるのは突っ走る千果とその障害となるテニス部部長加賀見玲子との確執。でもそんな敵役の彼女も、一見は嫌味なお蝶夫人ですが、その心根はお嬢様学院で苦心惨憺して運動部を支える苦労人。

 そんなふうにこの作品、ステロタイプな仮面の下から隠された苦悩が透けてくる、という展開をあらゆるキャラに置いているので、キャラ数が多いにもかかわらず、それぞれへの感情移入度が高いです。

四. その日の空は青 The sky of the day is blue

 そして話の最後を飾る練習試合。その練習試合を成立させた段階で「ラクロス部設立」というこの話での課題は解決してしまっているのですが。正にその「解決してしまっている」という時点から先へと行く、矜持であり情熱であり宿願であり、そして喜び。それを描けている所がこの作品のミソかも。

 出来る出来ない、やるやらないの先へあるもの。それは主人公を置いて先に行ってしまった親友結衣へと、憾みでも羨望でも悔恨でもなく、同じ場所に立てる事。

 離れた時間と距離は、いつかわたしたちを遠ざけるのだろう。お互いを想い出の中に閉じこめて、ときどき取り出して眺めるしかなくなる……そんな日がくるのかもしれない。(p304)

 これは「青春」と呼び得る何かにかつて触れた/いま触れている全ての人への応援歌、な良作です。

ユリとかバラとか姉妹とか

全部妄想です!

ほとばしる汗と涙とド根性!
空前絶後の美少女スポ根グラフィティ!

おまけ: うそ相関図

 相関図ジェネレータキャラクター相関図作ってみました。

ゆうり--[雇い主]--[用心棒]--ひろみ, ひろみ--[同志]--ゆきの, ひろみ--[中途半端]--あかね, ゆうり--[親友]--あかね, ゆうり--[友達]--ちか, ちか--[知り合い]--ゆきの, ちか--[肉体関係]--ひろみ, ちか--[悪]--[正義]--あかね, ゆうり--[受]--[受]--ゆきの

 全員は入れ切れないので1年生の5人を。広海と雪乃の「同志」は腹黒同士で決まりですね。雪乃と悠里の2人はどちらもしんどい方にわざわざ立ち向かって行くという点では「受」なのかもしれませんが、どちらかと言うとマゾヒスト? 広海と悠里の「用心棒」「雇い主」は逆のような気がしないでもないですが、学内政治については広海の方が「用心棒」とは言えそう。つーか、むしろ狂犬というか噛ませ犬というか。悠里と あかね の「親友」というのもなってみれば似合いそう。というか脇キャラ同士でセットになったりして。その あかね と千果のプリキュアコンビ、「正義」と「悪」ってなにゆえ(笑)。そして極めつけは広海と千果の「肉体関係」。主人公と主役ですからお似合いではありますがやはりそうなってしまうのでしょうか。

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