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2007年9月11日

カレイドスコープのむこうがわ

第6回電撃hp短編小説賞〈銀賞〉『チョコと花びら』からなし崩しに連作短編となったこのシリーズも2巻で完結。奇麗に終わりましたね。

記憶の意味と心の痛み、そしてそれを受け止める事。同時に完結の『レジンキャストミルク』がやり損ねた事を見事に取りまとめていて見事です。まあこれは作品がどうこうよりも著者の人生経験の差の問題だろうから同列に並べてどうこう言うのは酷だけれども。

特に2巻に入ってからの、『相思の花』での古い夫婦の昔語りから『往く春』での未然に終わった幼馴染悲恋、『巡る秋』でのそれを受けた井上〈義理じゃないけど、チョコいる?〉志帆視点での語りなおしを挿み、『波の下の鳥』で古馴染み人外トキから客観視された主人公が最初は 友人の井上志帆 だったのから 「デート」 へと自認し、そして最終話『残されたもの』でそのもやもやした一切合財の想いが……。主人公神田道弘とヒロイン井上志帆の関係を描く物語りとして無駄の無い作り。『同調者』としてのみならず一般人とのカップルを成立させている事でも先輩な和泉文子の存在も合わせて、完璧でした。

しかしそれに引き換え祓い師門倉淑乃の立場の中途半端さ。いっそ使い魔小夜や土地神トキのような部外者の立場にまで落ちればいいのですが曲がりなりにも人間とあらば人外の彼女らのようには世界の外に立てず、かといって恋の鞘当てに割り込むには薹が立っていると……。読みきり短編ならば無問題だったものが、その受賞作の泥縄シリーズ化で欠点と化したわけですから、これは著者のせいというより編集部の責任ですけれども。ここらへんは次回作でのリベンジに期待です。

……このまま続けたとしても淑乃独身(30)こと恋ヶ窪ゆりちゃん先生と化すだけだろうしね。(それはそれで面白そうと思わないでもないですが)

2巻帯

これから会いに
行ってもいいかな?
大事な話があるんだ。

物忘れの激しい老人の幽霊や、
心霊写真しか撮れない写真部員など、
道弘くんの周囲では妙な事件が続発。
一方、井上さんは何かに気が付いたようで…。

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