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2007年7月 7日

モノケロスの魔杖は穿つ:伊都 工平

ポニーテール正義のしるし!

モノケロスの魔杖は穿つ

仮想の魔術理論にからめた国家経営の理念の話。

1巻では究極の全体主義国家テスカトリポカとの対決を通じて防衛主体としての国家の発生を扱いましたが、2巻では造反有理の危うさを秘めた国家の自浄機能を。じっさい、軍というのは他国との戦争のためでも民の制圧のためでもなく権力の掌握のための存在であるのは、壬申の乱を始め源平南北戦国維新とひたすら内戦を繰り返してきた日本人には分かりやすい事実ではあります。

モノケロスの魔杖は穿つ 2

ていうかヒロの国の場合、王であるヒロ自らの持つ最終兵器カドゥケウスがあるので直接的な力の行使(つまり戦争)では負けはないわけで。重要になってくるのは次の段階、2巻の背景である暗殺への対処(これは内務を扱う司祭のセシリアの役目)とそして、前景となる国体の護持を軍務として指向するによる意思決定過程での統制が重要になってくるわけですが。しかし、この軍(騎士)による統制(2巻あとがきの用語で言う 《読み込み》 機能)というのは(竜たちがそうであるように)おおむね暴走するのが常ですし……。今後どうなって行くのか楽しみです。

しかし、がこうなっちゃったせいで普通の人が一人も居なくなっちゃったのが読むに辛いです。主人公のヒロはラストでの大物っぷりからも分かるようにローカル国家无耶志国の管理人などとは格の違う最初から帝王学に沿う覇王ですし、変人魔術師の麻奈は論外、そして司祭セシリアは現代日本人ですらないですし。まあこれから一般クラスメイト達からいくばくかが国民になって行くのかもしれませんが。

1巻 帯

それは四人をつなぐ確かな輪(リング)――

さあ、
はじめよう!!

2巻 帯

神剣、
巨人、

空中
決戦!

圧倒的スケールで放つ
王国ファンタジー

第2弾!

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